樹脂容器工場の空気調和設備

空気調和設備のケーススタディ

お客様の課題

準クリーンルーム仕様の空調設備・樹脂容器生産ラインの構築

業種:製造業 / 社員数:2,500名 / 社歴:100年以上

取り組みと成果

空気清浄・室圧管理、温度管理により、高品質な製品を生産できる製造ラインを構築

空調、空気清浄・気圧、湿度までコントロール

大手包装容器製造会社様における樹脂容器の生産ライン新設というお話のなかで、空気調和設備のご依頼を承りました。当社が請け負う空気調和設備は、快適な労働環境のための空調コントロールという目的もありますが、もっとも優先度が高いのは工場内の温度をコントロールし、生産ラインの生産性を向上させることです。そのために空気清浄・気圧管理、さらには湿度管理まで手掛けることもあります。新設される樹脂容器の生産ラインは、まさにそういったさまざまな要素をコントロールしなければならない空気調和設備の案件でした。

第一事業部第一部 部長 奈良 伸幸

お客様と会話しながら最適な環境になるように設計

樹脂容器の原材料である樹脂を溶かして押し出す機械は、電気ヒーターを用いて溶かしているため、非常に大きな熱を発します。そのような生産機械からの発熱量や給排気設備における空調負荷などを計算した上で、冷熱源設備として空冷チラー(冷水を作る装置)を選定し、仕様や設置台数を決めました。もちろん、それにともなうメインの配管工事と機械回りの配管工事も考慮しなければなりません。

その次に検討したのは空気清浄です。このラインは準クリーンルームという位置付けのため、ほこりや小さな虫などが入ってこないように、外部の空気を遮断する陽圧化(室内の気圧を外気よりも高くする)を行う必要がありました。同時に、樹脂の原材料(粉状)を供給している手前の乾燥機室は、生産ラインに粉が入っていかないよう負圧にしなければなりません。この室圧のバランスを保つ設計には苦労しました。

さらに、巨大な空間の倉庫や保管庫は、品質を安定に保つための温湿度管理が求められました。特に梅雨時は湿度が高くなりますから、空調機や除湿機の仕様や設置場所・設置台数には頭を悩ませましたが、最終的にはお客様と会話しながら良い提案をさせていただくことができました。


設備を理解し、最適な空気調和設備を提案できるノウハウが強み

新設の樹脂容器生産ラインは、大きなトラブルもなく、快調に稼働しています。お客様からも「満足している」とのお声も頂戴しております。ちなみに、この案件は最初から当社をご指名いただききました。空調設備のリニューアルだけなら数社の競合他社がありますが、生産ラインの空気調和設備となると当社以外は対応が難しいのではないかと思います。なぜなら、当社はお客様に二人三脚で寄り添う業務体制を構築し、お客様の設備を熟知しているからです。

例えば、空冷チラーに関してはもっと安価な仕組みにすることも可能ですが、ギリギリの熱量で処理する仕様・設置台数にしてしまうと、数年後に空冷チラーが故障した際、余力がなくなってしまいます。お客様の生産設備を止めない、お客様の生産リスクを最小限に抑える事を常に意識し、当社は将来の保守・メンテナンスを考慮して設計させていただいております。こういった点を含め、お客様にとって最適な空気調和設備を提案できるノウハウが当社の強みです。現在、多くのお客様が持続可能な社会やSDGsに積極的に取り組んでいらっしゃいますから、当社もそれに貢献できるように精進してまいります。

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